プロポーズ小作戦
妻咲邦香

此処は何処よりも静かで
憎んだら自分が駄目になる
森の奥、新緑のラグーンが囁く
「もういいんだよ」
その声は耳に届かなかった
届いても降りて来なかった

自由という名の劇場
戦いはまだ続いてる
地平線の折れ線グラフ
欲と望みの汚染具合でその高さが変わる
爪の間からも探す可能性
自信も切り取り方を間違えるとこうなる
神様、明日はもっと晴れをください
もっともっとうんとたくさん
いっぱいいっぱい晴れをください

体温なんて無くなってしまえと思う時がある
優しさは時に劇薬で
理解されて終わるのが一番悲しいから
あの鳥のように傷付いても、夜明けを迎えに行けたなら
揺り籠も夢を見る
甘えの両端に逃げ出したい気持ちの帷子
魂までもが泡となって消えてしまうその前に
天寿を全う出来るその方法が知りたい

その餌は魅力的なの?
その歌は美しいの?
眼はちゃんと捕らえられてる?
時々自分が怖くなる
神様、明日はもっと奇跡をください
もっともっともっともっと
うんざりするくらい奇跡をください


自由詩 プロポーズ小作戦 Copyright 妻咲邦香 2021-02-01 13:23:52
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