手袋
墨晶

         - Glove

御存知の通り、

手袋もまた奇妙な存在だ

大抵、かたわれだけが、路上で死んでいる

今日

わたしの片方の手袋がいなくなった

どこかの路上で

やはり忘れられたように

死んでいるのだろう

かたわれだけが

勝手に去る

関係性から去るのだ

キミが嫌になったものを

わたしはまだ続ける

済まなかったね、

キミは黙っていてくれたんだね
 
 


自由詩 手袋 Copyright 墨晶 2021-01-31 20:08:04
notebook Home