グラデーション
邦秋

時間と音を隔つ魔法のドアを急いで閉めて
気も靴の紐も緩めないまま
迷い込んだ森を思い返して


あの時 どちらからか
どこかで 素直になって
立ち止まれたらな


濡れて肌に張り付いた
シャツをハンガーに掛けたら
少しずつでも乾いていく それと同時に

寒空の下でなぜか熱くなった心を
この暖かな部屋で冷ましてみるよ


自由詩 グラデーション Copyright 邦秋 2021-01-31 09:36:12
notebook Home 戻る  過去 未来