「泡沫に沈む」
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言いようのない気持ちに包まれながら、今を祈っている。

詩人の居場所を唯、探している。

居場所など、水の泡の如く、ないのかもしれない。

しかし泡程度はあるだろう。それで充分だ。

充された気持ちになりながら、また虚しい気持ちにも浸る。


「人の気持ちを蹂躙するのは許せない」と云いながら、

それはいつのことだったかと、思いを馳せている。

はたして、人の同情や関心を惹く行為は、

ある意味で、子どものダダを捏ねるように、

ぶすくれた感情任せの態度なのだ。

でも支援する側は、「いいよいいよ」と云うのだろう。

「好きでやっているからいいのよ」と。


まるで水や、泡沫の泡のよう。

そこに一房の徒桜の花びらを乗せる。

人の手に掬われずに零れた花びらは、

ただ、ただ、虚しい泡を浮かせた水辺に落ちうる。

「泡沫に沈む」


自由詩 「泡沫に沈む」 Copyright a i 2021-01-29 20:39:43
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