繋がらない夜
ひだかたけし

夜が深まっていく
連絡がつかない、繋がらない
隣室からコツコツと壁を打つ音、間欠的に
遠くの森を手繋ぎ歩いた愛娘は
青春を謳歌しているだろうか、今頃

夜が深まっていく
オレンジジュースがやたらと飲みたい
隣室からは相変わらずコツコツと壁を打つ音、間欠的に
彼(彼女)も遠くの森を歩いた記憶があるのだろうか

繋がらない父親と
今も、今にも









自由詩 繋がらない夜 Copyright ひだかたけし 2021-01-28 20:39:26縦
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