少年ジャンプ
六九郎
私には特別な血は流れていなかった
私は勝負事にはつねに負けた
私はいつも同じ仲間とつるんだりはしなかった
私はなぐったりなぐられたり、殺したり殺されたりはしなかった
私の前にはおっぱいの大きな女の子が笑ってはいなかった
私の人生には冒険はなかった
ナンセンスな笑いもなかった
そう気付いたときに私は少年ジャンプをやめた
少年ジャンプは今も毎週同じ夢を届け続ける
私はもうそこから随分遠くまで歩いた
みんなとジャンプを読むより一人で歩いている方がずっとよかった
少年のジャンプじゃなく中年のステップで
ファンタジーではない自分自身のステップで