傷
viraj
煙かすかにたなびいて惑い
この足取りが辿り着く場所も知らずに手を伸ばす
裏切ってしまった感触が消えぬまま罪だけ歌って傷をさらした
泥濘に崩れ頭から落ちただ嘆いている
声にならずその背だけ見つめて夜は更けて
言い切れぬ弱さをあなたと抱く
少し濁ったこと風になびいて涙をさらっていく
ごめんね
言葉返さず
沈黙が輪郭を形作り
言葉にした分削れていく
心がここでまだ痛んだ
背負い歩いた道の先で戸惑い涙落ち
昔と変わらずすぐ泣く僕だった
自由詩
傷
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viraj
2021-01-23 10:39:20