確かめられる明かりはそれぞれに
二宮和樹
気持ちの一場面
それは現実という片言
ゆかしき式の絶え間ない響きは
神聖なる世俗に帰するもの
起き出した私は
夜の内の寝言を書き付け
揺るぎなき日を実感する
再びまどろむと
次は早々と目覚めた朝日と落ち合う
それは山の小合から眺められ
いつしか豊かさを問う
確かに
ここは感じ入る場所だった
夢幻でない手に取れる静寂
諸手から落ち続けた明かりも
手を染めるまでになった今は
染めやらぬ想いももうない
あぁ
君たちは足早に立ち尽くし
我が身の明かりを確かめる
私とて同じだったが
もう、なすすべぐらいは知っている