『銀河おもしろファーストコンタクトあれやこれや便覧』
道草次郎
接触年……いくつめかの膜宇宙の寝返りの時、古い厠のような銀河の27週半した頃
種族分類……Aおおむね炭素、Bおおむねメタン、両者惑星間たった8パーセク
事後……A壊滅、Bに壊滅の意図なし及びその認識も不明
A
系統樹は、3つの太い枝に分かれている。バクテリア、アーキア、ユーカリオタの3種である。そしてヒトは、真核生物の枝の先っぽにちょっと突き出た新芽だ。
150名からの集団を毛づくろい行動でまとめるとなると、日中の活動時間の45パーセントをそれに当てなければならない。毛づくろいに癒しの効果はあるものの、それは実行不可能だ。サバンナへ出かけて食べ物を調達してこなければならないからだ。人類は、毛づくろいの代わりに言語という効果的なコミュニケーション手段を獲得する必要があった。
「やあ僕の名前はジョン。はじめまして、人類は平和を希求する生命体です。仲良
B
系統樹は、13の太い枝に分かれている。メタナクト、メタナス、アリテレススト、ダーウィナー、アクロシアノバクトロス、セキサカス、糜爛状紗々羅、チッピカス、ポロロメナタンヤ、二夕発生物、チタロイド、天菌の13種である。そして蚪紼は、チッピカスの枝の先っぽに300万クリーゼYyf年前から比較的繁茂している新枝だ。
黎明期における蚪紼の幽体の分裂機構は、複数の配偶素子から成っており、その活動のおよそ50パーセントを配偶素子の分子的安定に費やさなければならなかった。ところが、およそ350万クリーゼYyf年前に近傍恒星で発生したガンマ線バーストの影響により、蚪紼機構中における元素配列に著しい偏差が起きた。弾き出された中間子の相互に及ぼす偏差値が小数点以下5桁において規則的な齟齬を来すこととなったのだ。やがてそれが分子的な定着をみることとなる。蚪紼は、分裂の際必要とされていたエネルギー効率を一挙に目覚しくすることが可能になった。
「ルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル、ルッルル」
※このパンフレットは中規模宇宙ボイド事業団が主催する各種の知的(と思われる)生命体の皆さんの健康増進を図るための「笑おう健康にはそれが一番、本当にあった銀河のおかしな話」のカリキュラムのご案内です。5クレジットの有償版は同封のタブレットでお手頃にアクセス可能です。
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