折り鶴は水色
秋也
白黒の共産主義が
もろい壁のように崩れていくんだ
英字新聞の白黒の写真に
真っ赤なルージュを塗って
クレヨンみたいに踊り狂って
瓦礫の山を這うのは
蟻か人でなくてはならない
幼稚園のナンバリングされたロッカーから
丁寧に折られた透明な折り鶴が
涙みたいに溢れだして
渋谷のスクランブル交差点
お天気コーナーのミニチュアみたいな
精巧さ
「昔からきめているんだ
折り鶴は水色で折るって
三羽作って
一羽を母親に
二羽目を妹に
三羽目をわざと横断歩道に落とすんだよ
いつ車に潰されるかってワクワクするんだ」
夢から覚めたような淡い水色に
大好きだった幼稚園の先生は思いだせたかな
カラード かるま
まさしく業のような資本主義的で民主主義を偽った夕日
林檎のようには赤くならず
さて、どこに何を置くべきなのか