合わせる、会わせない
浮蜘蛛

君は僕に合わせない。

僕は、君に合わせてるつもり。
話を聞いたり、疑問に思って質問したり。
実際君の話には質問したくなることが多いから、
どういう事か確認したり、する。

でも、君は僕に合わせない。

僕がふと、少し自分の話をすると。
無反応だったり、いちいちこねくり回した言い方
しないで、とか、言う。
そんなつもり、無いのに。
そんな辛辣な言い方、しなくたっていいのに。

兎に角、君は僕に合わせない。

僕が合わせればいいんだ。
それはわかってる。わかってるけど、
少しくらい、こっちに合わせてくれたっていいんじゃ
ないか。


ある時、ふと、僕たちは別れた。


合わないんだな、って思って。
別れた。


君は僕に会わせない。
娘に会いたい、と言っているのに、会わせない。


ある時、ふと、僕は君を殺したくなった。
いや、だめだ。
合わない君なんか殺しても、
こっちが損するだけだ。


でも、ふと、僕は君を、殺したくなった。


自由詩 合わせる、会わせない Copyright 浮蜘蛛 2021-01-12 21:11:32
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