敗北者とか負け犬とか
こたきひろし
本気になれない自分がいる
今風に表現するならマジになれない自分がいた
的が外れてしまうかも知れないけど
たとえば
逃げ場のないところに追い詰められても
自らの拳を振り上げて闘えない腰抜けみたいに
自分のぶざまを
簡単に受け入れてしまうような
ちょっと違うかも知れないけれども
上手く言えないんだが
そんなときさえ
地べたにひれ伏して命乞いしてしまうしかない
弱虫いくじなしの俺でしかないんだ
いかなる不条理を目の前にしても
震えるような怒りがわかず
現実に冷めてしまうような自分しかいないんだ
俺は敗北者なのかな
それとも
負け犬のたぐいか
いや違う
間違いなく人間だ
昨日も
今日も
明日だって
間違いなく人間なんだ
ぶざまでも
みっともなくても
うす汚くても
何がなんでも
人間なんだよ
人間として
生きているし
生きていくんだ