ばらばらに、ばらばらと
ひだかたけし
一つの光が二つに分かれ
二つが四つに、四つが八つに……
そうして僕らは生まれたんだ
この眩しい地上の光のなかへ
ばらばらに、ばらばらと、生まれたんだ
戻ることは叶わない
遡行しながら進むしかない
僕が僕らになるために
僕らが僕になるために
(前進する時間に遡行する時間
麻痺した意識を静めて醒まして
遠い記憶を掘り起こし)
ばらばらの僕とばらばらの君
僕と君との距離、無限大
けれどこの孤独な旅の果て
いつか僕らは一つの光を見る
いつか僕らは一つの光となる
一つの光が二つに分かれ
二つが四つに、四つが八つに……
そうして僕らは生まれたんだ
この眩しい地上の光のなかへ
それぞれの光を背負いながら
ばらばらに、ばらばらと、生まれたんだ