ばらばらに、ばらばらと
ひだかたけし

一つの光が二つに分かれ
二つが四つに、四つが八つに……
そうして僕らは生まれたんだ
この眩しい地上の光のなかへ
ばらばらに、ばらばらと、生まれたんだ

戻ることは叶わない
遡行しながら進むしかない
僕が僕らになるために
僕らが僕になるために
(前進する時間に遡行する時間
麻痺した意識を静めて醒まして
遠い記憶を掘り起こし)

ばらばらの僕とばらばらの君
僕と君との距離、無限大
けれどこの孤独な旅の果て
いつか僕らは一つの光を見る
いつか僕らは一つの光となる

一つの光が二つに分かれ
二つが四つに、四つが八つに……
そうして僕らは生まれたんだ
この眩しい地上の光のなかへ
それぞれの光を背負いながら
ばらばらに、ばらばらと、生まれたんだ







自由詩 ばらばらに、ばらばらと Copyright ひだかたけし 2021-01-04 15:10:22
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