愛着
やまうちあつし
無人の駅で
日曜の校舎で
ページを閉じると
すべりこむ花びら
五年後に会うだろう
そのとき同じ細胞は
ひとつも残っていないのに
なぜだか同じ人のまま
性格の悪さと
愛想のなさに
ナナホシテントウ
愛が着く
言葉の端々
いやむしろ
沈黙のさなか
醤油のしみがつくように
誰かの匂いがつくように
ひとりよがりと
ないものねだり
人間の限界
ビルの屋上に乗っかった
丸い月
そこに人影
猫みたいな言葉探して
ごめん
遅くまで
愛が着く
自由詩
愛着
Copyright
やまうちあつし
2020-12-27 10:15:31
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