しずく(ゴル投稿修正版)
高橋良幸

窓ガラス越しの往来
傘を広げる人々を
しずかな気持ちで
眺めていられたのは
受け止めるということに
あらためてなにをすることも
いらなかったからかも

わたしのみつけた小指の先の大きさの
天球は乾いた誰かの手で
振り払われてしまう
吐く息の結露した模様
その中で煌めく街灯
考えをまとめないと
感じたことを書きとめないと

ちょっと傾けただけで
みあげたまだらの空は
濃淡のすきまとすきまに
スピードを得る

こえのように伝わる
空気という名前の
わたし達のあいだ
触れたのが合図で
連続した音になって
まつ毛の先に溜まる

わたしの感じた小指の先程の大きさの
悲しみはあなたのやさしさで
拭いとられてしまう
吐く息の交わるところ
しずくのようなまばたき
考えをまとめないと
感じたことを伝えないと

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自由詩 しずく(ゴル投稿修正版) Copyright 高橋良幸 2020-12-26 21:23:50
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