ぶろっさむヨシノそめい
秋也

桜の匂いが薄れてきた

玄武岩質溶岩
ロープ
太い幹

遠足の準備は万端だ

日本酒に金箔を入れて
瓶の中でひらひら
朱合漆
盃カラカラ
殿様右手をひらひら
「苦しゅうない」

ソメイヨシノは赤い丸
白地がまた美しいんだ
まだ死んでいないのに鼻が利かない
満開なのに
「ああ、櫻の匂いがずいぶん薄くなったか」

現代か過去か未来なのか
揺れた遺骸は軽くて重い
波間に漂う軍靴の生き様
遠い遠い花の匂いを幽か辿って

生きよ生きよただ愛せ
愛し万象と往け






自由詩 ぶろっさむヨシノそめい Copyright 秋也 2020-12-26 19:33:39
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