ウォーキング
葉leaf

公園を歩いていると
空から落ちてくるものがあり
それは高価な宝石だったりする
だが私はウォーキングの最中
足を止めることなく歩き過ぎる

公園を歩いていると
地面からせり出してくるものがあり
それは死んだ祖父だったりする
だが私はウォーキングの最中
語りかけることなく歩き過ぎる

公園を歩いていると
背後から呼びかけるものがあり
それは長く求めていた恋人だったりする
だが私はウォーキングの最中
気に留めることなく歩き過ぎる

公園を歩き切ると
急に平凡がやってくる
もはや当たり前のことしか起きない世界
私はだらしなく横たわり
もはや誰も訪れないことを知っている


自由詩 ウォーキング Copyright 葉leaf 2020-12-25 02:55:52
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