調律
ミナト 螢

耳の奥
誰も追い駆けて来ない場所に
音楽は流れ始める
好きな季節に
理由など聞かないで
無意識の中に
溶けてく気持ちが
虹色の服に着替えている
敵も味方も分からずに
優しさを遠慮なく
受け止めた
雨上がりの街が
平熱を取り戻すまで
歩いても歩いても
小さく揺れた傘を
星に突き刺し
いつもの交差点で渋滞する


自由詩 調律 Copyright ミナト 螢 2020-12-23 21:02:02
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