ストーブ
パン☆どら

愛と憎しみ
遠く離れてここから見てると
どれも
レコード盤のように
いつも平たく回って見える
コーヒーなど飲みながらきっとこういうのだ
古い写真の焼き直しだ、ってね

人生に醒めたこととか
他人の思わぬ冷たさとか
すっかり慣れ切って
いつもの公園で眺めていても
ふと目をあげると
言い争いをする
若い男女

愛と憎しみ
昔のように
平たく回転して見える
今となっては慣れ切って目を向けるだけ

それでも熱量は感じる
手をかざすと少し暖かい
二人は暑かったんだろう
抱き合って頬を叩いて服を脱ぐ
少し離れたくらいがちょうどいい
一昔の時代のように


自由詩 ストーブ Copyright パン☆どら 2020-12-21 01:06:31
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