一人と群衆
浮蜘蛛

空は青。
雲は白。
草木は緑。
自然の色が、美しく、綺麗に見え、今日、穏やかだ。

家の壁が、白い。
屋根は、濃い灰色。
コンクリートは、うすい灰色。
人工物の色も、手入れをし、綺麗に、保たれている。
今日、平穏だ。

自然と、人工の所有物。
ともに、美しく。
ともに、愛おしい。

・・・・ふと、美しく、愛おしいものを思う。

美しく、愛おしいものがなるべく、このまま続いてほしい。
美しく、愛おしいものが、本当にずっと、このまま続いてほしい、と。

そう思うのが、当たり前なら。
そう思うのが、当然で、あるなら。

どうすれば、美しく、愛おしいものが、ずっと続けられるのか、
考えて、実行したいと思うのも、当たり前だし、当然なので、あるなら。

それについて、議論したいし
それについて、一言云いたいし、
それについて、結果を反映したいし、
それについて、結果を見て安心したい、という気持ちが、あるなら。

誰かと喧嘩すればいいのか、
誰かと協力すればいいのか、
誰かと組織を作ればいいのか、
誰かと意見書を作ればいいのか、
誰かと署名を集めればいいのか、
それらを実行して、やってみたいって、気持ちが、あるなら。

・・・・やって見せて。
・・・・結果を見せて。
って、言われた気がした。

風が吹いて、風切り音が ぐーぎゅーひゅー、と鳴って。
風に、そう、言われた気がした。



美しく、愛おしいものがなるべく、このまま続いてほしい。
美しく、愛おしいものが、本当にずっと、このまま続いてほしい、と。

そう思うのが、当たり前なら。
そう思うのが、当然で、あるなら。


自由詩 一人と群衆 Copyright 浮蜘蛛 2020-12-18 17:51:48
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