ノータイトル
道草次郎
ぼくは何をやらせても一番ドベだ
まっすぐ線を引けたこともないし
寸法が合ったことも本当に一度もない
これは実話だ
毎日どうしようもないグズであると
先生からも皆からも自分からも
思われている
しかも
詩はどんどんひどくなり
つまらなくなり
だめになる
本を読もうとしても
3秒だって集中できない
焦燥感がひどい
気分も四六時中うつ状態だ
ぼくはもう家族も失ったし
金もたりない
あした
遠くにいるこどもに
クリスマスプレゼントを
買う
くまさんのぬいぐるみだ
ぼくはもう
空のなかで
ばらばらになりたい
詩的な言葉はしんだ
ぼくは
人間をきらいになることが
できない