透明人間
ミナト 螢
すれ違う道で
肩さえ触れずに尖ったら
自分の手を当てて
はみ出しそうな午後
振り返るタイミングも
追い駆ける勇気も
仰いだ空の中へ
吸い込まれてゆく
言いたいことが
あったような気がしたのに
流れても流されても
無傷な体じゃ
見つけて貰えず
多分もう
消えてしまったから
街が静かだと思って
車に轢かれようとする
自由詩
透明人間
Copyright
ミナト 螢
2020-12-12 14:44:45