人間アレルギー
月夜乃海花
いつからか、周りの人の視線で痒みを感じた
いつからか、話し声を聞くと涙を流すようになった
いつからか、真っ直ぐ見つめられると目が痒くなった
いつからか、触れられると皮膚が爛れた
いつからか、話すと声が掠れて咳が止まらなくなった
そうだった。
いつからか、私はまるで自分は人間でない何かのように
ただずっと人間を馬鹿にしていた
人間アレルギーなのではなく、
単に自分が人間を拒絶していた
いつからか、唯一優しい君とも
会わなくなって半年が経って互いに忘れあった
いつかさ、私が人間に戻れたら
また例の喫茶店に行こうよ
今度はちゃんと私が奢るから