人間アレルギー
月夜乃海花

いつからか、周りの人の視線で痒みを感じた

いつからか、話し声を聞くと涙を流すようになった

いつからか、真っ直ぐ見つめられると目が痒くなった

いつからか、触れられると皮膚が爛れた

いつからか、話すと声が掠れて咳が止まらなくなった

そうだった。

いつからか、私はまるで自分は人間でない何かのように
ただずっと人間を馬鹿にしていた
人間アレルギーなのではなく、
単に自分が人間を拒絶していた

いつからか、唯一優しい君とも
会わなくなって半年が経って互いに忘れあった
いつかさ、私が人間に戻れたら
また例の喫茶店に行こうよ
今度はちゃんと私が奢るから


自由詩 人間アレルギー Copyright 月夜乃海花 2020-12-12 03:44:35
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