げんじついま、こんな具合である
道草次郎

いきていてはいけない

きょうだけで26回思い
しぬわけにはいかない

きょうだけで26回思い

いま
時計の音
だけが聞こえる

あらゆるものを
よごす

などと中途まで書いて
難民キャンプの話とらい園の話を
母にふられ
母もすれすれの道を歩いているのを
感じる
口許まで
ずっと神谷美恵子と犬養道子を読み
今も講話をひっきりなしに聴いているんだと
せり上がったが
留め
飲み下し
だまって電話をして
きょうは不整脈の調子がわるいからと
休みの電話をいれる

この口をつき
でることばはくさってないものはなく
もとつまの
母はレッカー移動のうきめ
その話をきき
また、あさから病む


さえあれば

ぼくは死にたいと人に向かっていうことが
どれだけ悪いことか分かっているのかと
もう何度目か母から言われ
もう何度目か死にたいともとつまからいわれ

ほんとうにきたいない人間として
ここに
生存
している

いまはローソンの駐車場
3人の女が世間話をしている真ん前で
この詩をかいて目を合わせない
でいる

空気がすこし落ち着いてきた
冬の対価は
このようなものか

今朝見た夢は
ものすごい勢いで人を怒鳴っている夢
最近そういう夢をみる

そして
げんじつのぼくはよく笑う




めをつむり
沈んでゆくぶったいは
それは

新聞に書かれていた社会面

ぼくはぼくのつみを
わすれている

ほんとうの地獄のことをかんがえすぎて
大局を損じる


自由詩 げんじついま、こんな具合である Copyright 道草次郎 2020-12-11 09:47:58
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