道草を食う
道草次郎

道草を食っていたら
道のおじさんに怒られた
おらの道の草よくも食ったな、と
ぼくは頭にきたから
走って家まで帰るとミケの耳をつねった
ミケはミャッと鳴いて逃げていった
次の日先生にその話をすると学級問題になった
道草君が昨日道草を食ったら
道のおじさんに怒られたそうだ
みんなも気をつけるように
道草を食ってはいけないのは
こういう理由のためなんだよ
道草君みたいに道のおじさんに怒られるのは
みんなもいやだろう?
するとみんなは
素直に大きくコックンとうなずいてみせた
ぼくは内心思った
ちぇ、どいつもこいつもハクジョウモノだな
それからというもの
ぼくは道草を食うのやめるようになり
代わりに油を売ることにした
油の仕入れにすこし手間取ったものの
油を売ることを咎める輩は
このあたりには
まだいないみたいだから


自由詩 道草を食う Copyright 道草次郎 2020-12-08 20:44:11
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