金の花びら
ひだかたけし

ふわふわ漂い
ゆっくり落ちる
金の花びら、
わたしは貴女を知らなかった

[磯の香 、 零れる光滴 、 白波の残響]

あの青い青い宇宙の大海原を
貴女は幾人もの従者を連れ
喉を震わせ優雅に残酷に
謡い舞う、舞い謡う
その細く長い両腕を
時折優しく交差させ
さっと広げて円描く
そうして遂には電光石火
纏った白装束よりさらに白い
大理石の四肢を剥き出しにして
黄金の火花を散らす、荒波のなか

[終わりに向けてか 
 始まりに向けてか 
  ただただ烈しく
   火花を散らす 
    渦巻く混沌 
     そうして貴女は遠去かる
      この宇宙の大海原に
       微かな笑みを浮かべながら]


ふわふわ漂い
ゆっくり落ちた
金の花びら、
未だ貴女を知らないままに





自由詩 金の花びら Copyright ひだかたけし 2020-12-07 14:57:56
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