ひつまぶし
這 いずる
君が渇きません
私は夢見る牧羊犬の尻尾を踏みました
朝から晩まで数えていたら
羊が灰色になってきました
ごましおの柄が可哀想
雲に浮かんだ雨も可哀想
足先から落ちる水滴を目で追い
まともな振りをして傘を振り上げます
子供たちの黄色い帽子が落ちていました
無声映画のようでした
私は見たことがありませんが
電車の座席の暖かさを感じます
人は私より体温が高いようです
熱が出るけど咳はありません
熱中症だと思います
ずっと熱にやられてます
情け無い目で見てきます
濡れた犬です
うちにはハムスターと文鳥がいるので
犬と猫は飼えません
そういえば、君たちは傘をさしていますね
腕が怠いです
傘を捨てるべきかもしれません
目を押しやって暗闇を見ます
目は失くせません
踵が潰れて痛い
もう歩けない