夢の寒夜
ひだかたけし
四国の方へ行って来ると
昔の君は言いました
僕は不安で尋ねました
いつまで行って来るのと尋ねました
すると君は言いました
ずっと行って来ると言いました
僕は淋しくなりました
もう帰って来ないんだね
昔の君に言いました
君はもう居ませんでした
君の気配だけ残りました
さよならの声は聴かれずに
余韻だけがひっそりと
夢の寒夜に響きました
自由詩
夢の寒夜
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ひだかたけし
2020-12-05 19:10:54
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