俺の体温は熱くて
こたきひろし

がっこうの鉄棒にぶら下がって必死に見上げた空
何度挑戦しても逆上がりは成功しなかった

でもねそんなの数学といっしょ
難しい計算式なんて生きていくのに何の役に立つのさ

数学者にでもなるなら必要かも知れないけれど
普通に就職するなら算数と読み書きまともならいいだろうと
誰でも思ってしまう

だってさ
教科ごとにたった一冊の教科書を一年かけて学習するなんて
何かかったるくね

教える先生だって毎年おんなじ事繰り返してるんだからさ

逆上がりなんて
体操選手になるなら覚えて無駄はないけどさ
社会に出たら鉄棒なんて滅多に見ないし
ふたたび挑戦しようなんて思わないな

それが平々凡々な人間の考え方生き方だろう

だけどさ
国の建前として教育の公平と平等があるからさ
それを受け入れる個人の能力や指向性はとりあえずおいておいて
義務的教育がなされる訳だろうな

俺なんて高卒だからさ
難しい事わかんねぇよ
もともと勉強嫌いだし
勉強しなかったからさ

マアいいけどさ
どうでもいいけどさ
だったら語るんじゃねえよ
って言われそうだけどさ

餓鬼の頃からのモヤモヤをすっきりしたかっただけかもな

もうやめとく
これくらいで


自由詩 俺の体温は熱くて Copyright こたきひろし 2020-12-05 08:38:17
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