週番
道草次郎
朝の光を浴びて出ていく
人のふりをして席につくと
まずは新聞を読むふりをする
他の人のふりをしている生き物と
すこし談笑をする
今日もまた
3色ボールペンのインクがすこし減り
週番記録が1ページうまる
動力というものにおおげさに驚き
人力のしんどさを分かち合う時を待ち受ける
空の青さの話をしたい衝動を抑え
近所にできた100円ショップに助け舟を乞う
空前も絶後もここにはない
あるのはただ
机とイス、ホワイトボード、時計、機械油の匂い
本当のことは誰も口にしない
うつくしい
たいへんうつくしい生き物たちの名付けえぬ状態だ
ここにはなにもない
それゆえに
なんでもあると言ってもよいので
ぼくは特記事項にこう書く
「天上天下唯我独尊日日是好日」