ひだかたけし

黄昏時に
夢見る子供のように
今一度
両眼を見開き
身体中で
風を
感じる、感じている
気圏の底から湧き起こる
あの聖破璃の風を
追いかけ吸い込み広げては
開ける世界のパノラマに
自ら飛び込み溶け込んで
感じる、
夢見る子供のように

(濁世の
嗚咽をそのまま
吐き出して
麻痺した無風の今日を
過去へ過去へと
追いやって)

あゝ風が吹いている
止め処なく風が吹いている
西の空は茜に燃え
鰯雲が流れていき
気圏の底では聖破璃の
風が新たに生まれている












自由詩Copyright ひだかたけし 2020-11-30 17:00:47
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