白い、宵の口
ひだかたけし

空間に
手を差し出し
ゆっくりと
上下左右に掻き混ぜる 
けれども
存在する
はずのグラスは
見つからない
空間は
次第に重く澱んでいき
だらんと開いた手のひらに
粘りつくように定着する

存在する
はずのグラスを
失って
ひたすら
濃密な闇を
育んで
夜の沈黙を
誘って
真っ白な雪
のように
降り積もる

この全てが微分化されいく宵の口











自由詩 白い、宵の口 Copyright ひだかたけし 2020-11-28 18:11:53
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