カラカラと風に回ってる
こたきひろし

魂迄ずぶ濡れにされてしまうくらいの雨があがった

のっけから魂なんて書いてしまうなんて
我ながら恥ずかしい

天上では死者たちの霊魂が集まり
火を燃やし始めた
濡れた衣を乾かすためらしい

そんな事起こる訳ないだろう
与太者みたいに書きやがって

あんた与太者の意味わかってる
どうせほんの思いつきだろう

風が出てきた
簡易便所から突き出てる煙突って言うのかな
煙突の先でその中で風車が回ってる

カラカラと音立ててさ
回ってる

匂うだろ
臭いだろ

さっきから
俺は俺に話しかけてた

誰にでも起こる事さ
一人ぼっちはさびしいからさ
もう一人の自分相手に話しかけてる

周りには誰もいない
いたら
 あの人変?
て思われてしまうからさ

勿論俺はいたってノーマル
ノーマル前提で書いているのさ

簡易便所の煙突がやけに気にかかる
カラカラと鳴っていらつくんだよな

勿論俺はいたってノーマル
ノーマルだからさ
信じて欲しいな


自由詩 カラカラと風に回ってる Copyright こたきひろし 2020-11-26 06:39:25
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