街灯
ふるる

午後
眠っていた蛾が
黄昏
翅を開き

きいろい燐粉がぱらぱらと
落ちるに任せる
音もなく

街灯が眠そうに
点きそうで点かなかったり

チ、チカ、カチッチッ、チッ

春だから
歩く人も少し多い
靴音を立てぬよう
ひっそりと
歩く人がいる

チ、チカ、カチッチッ

蛾はじいと街灯に止まっている
熱くはないか、蛾 と
目をしばたかせる人がいる

チ、チカ、カチッ

夜明け近く
蛾はきいろい翅を閉じて眠る
それは舞台の幕が
ぴくぴく閉じるようだ と
思う人がいる

チ、チカ、



チッ


街灯の蛍光灯は
夜明けを待たずに

切れた















自由詩 街灯 Copyright ふるる 2005-04-18 12:42:53
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□□□抒情詩っぽい□□□