当たり前ということ
月夜乃海花
ある日、誰かのこんな会話がありました。
「こんなものを作ったら楽しいよ!」
「僕はこういうことなら出来るよ?」
「なら、私はこうするね!」
いつしか、その楽しそうな出来事の周りに
「何か面白そうなことをやっているぞ!」
たくさんの人間の群れが集まってきました
そして、ある時
「もっとここ改善してよ」
「今よりも、もっと前の方がよかったよ」
「いっそ、こうしたら?」
人間の群れたちが様々なことを言い出しました。
そして、気づけば
楽しそうな集団を創った人々は消えました。
別の場所で新たに楽しいことを創ろうとしたのです。
人間の群れは楽しいを創るために旅立ちました。
楽しいの死骸に取り残された人間たちは
何もできませんでした
ただその場に立ち尽くし
まあいいかと去ろうとしました
どうせ、そのうち楽しい物事は勝手に現れるからと
こうして放置された楽しいは死にました
当たり前と思わないでください
こうやって物を使えていることを
水道水が飲めることを
楽しいは無料で維持できないということを
裏で必死に努力している人たちを
どうか忘れないであげてください