バビロンまでは瞬く間
塔野夏子

バビロンまでは何マイル

ろうそくを灯して
行って帰ってこられるという
バビロンまでは何マイル

だがろうそくじゃない
禁断の火を灯せば
バビロンまでは瞬く間

行って帰ってこられるさ
いやきっと
行ったきり
バビロンの虜になるだろう

禁断の火を手に見るバビロンは
それはそれは美しいという
バビロンの街灯りは
禁断の火と共鳴するから

ろうそくはここにある
そして禁断の火がどこにあるか
きっともう 気づいているだろう?

バビロンまでは何マイル

バビロンまでは何マイル


マザーグースの「バビロンまでは何マイル」を下敷きにしています。私は谷川俊太郎さんの訳詞で親しみました。




自由詩 バビロンまでは瞬く間 Copyright 塔野夏子 2020-11-19 14:06:38
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