季節をわたる
トビラ
「このままどこかに行っちゃおうか?」
夏の海は
あやうく後ろめたく
手を引いて
僕を連れだす
雲が
戦艦みたいな雲が
君と僕を運んで
こたえて
耐えて
絶えて
泣いて
どうしても傷ついていく
今が
壊れないように
抱いて
星に願いかけて
更けて
指が割れて
赤くにじむ
「冬は寒いね」って
笑う
試すように
季節が過ぎていく
自由詩
季節をわたる
Copyright
トビラ
2020-11-18 12:39:00
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