日向の中にいても
こたきひろし

日向の中を歩いていても人は多かれ少なかれ誰でも闇をかかえている
んだと思います

表面と内面の食い違いから起こり得る軋轢に人は苦しみ悩むに違いないでしょう

普段から親切でやさしい人
でもその本質は分からない

他者には思いもよらない悪意が隠さているかも知れないのです



反対に普段から鋭い眼つきをしていて冷淡な人
でもそれは無理して鎧を纏っているだけなのかも分からない
器用に生きられないだけなのかも知れません

極端に人間不信に陥ってしまった人は
有りがちな傾向として人間以外を信じてしまうものだと思います

人間不信に陥る原因は人それぞれ様々だと思いますが
同じ人間による危害で有る事にかわりはないでしょう

とは申しましても全世界の人間が加害者にはなり得ません

周囲の極限られた人間による仕業でしょう

どんなに鍛え上げられた精神の鋼も一度捻れて曲がれば
元に戻すのは至難の技です

まして大半の人間の精神は弱くて脆い作りなのです

 私は可哀相な人間です
 人を信じられなくなってしまいました
 愛した人には裏切られ
 愛してない人には騙されてしまいました
 もう人間不信になるしかありません

 だからと言って神様仏様なんて信じません
 頼りません
 私は私を
 私だけを信じます

 他に唯一信じられるのはお金です
 お金の力で他人を見返せたらと思ってしまいます

 
日向を歩けなくなったら
人が内面にかかえている闇はいっそう濃くなるばかりです
 




自由詩 日向の中にいても Copyright こたきひろし 2020-11-18 04:49:18
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