20%値引きのポトフ
梅昆布茶
下高井戸の狭い駅前商店街は
なんだか昭和の生き残りみたいで
美しく整理された学園都市よりも
ジャニスジョプリンみたいな親しみやすさ
スポティファイみたいな狡猾と先見性
いまだに覚えている未来のわすれもの
そこに到達するまでの時空間をいま生きている
表現の自由が保証されているかぎり
詩を描いてみようとも思っているのです
みちばたの幼な子がせかいを理解しても
それは僕の理解と同列と猫は言うがそうなのだろうか?
神田神保町の成城石井で20%値引きのポトフ
60分300円のパーキングスペースに15年物のラパンを停める
すぐそこに僕の1970年があるのだろう
時間軸に沿って生きているつもりがいつのまにか
マルクスの貧しいロンドン時代など思いながら
なぜ一部の人って権力を志向するのかと考えたり
マーラーの交響曲のふたつめを想ったりあるいは
いつか鴨長明みたいなミニマリストになりたくて
空想は4次元に属するもので僕の棲家なのだろう
組んず解れつの愛なんてとっても大好きなんだが
詩も人生もいつかは整理されなければならない
それは生命も同じでそういう圧力のもとに生きてゆく