秋の日曜日の朝
ジム・プリマス

秋の日曜日の朝
部屋の空気は冷たいままだ
背中に回した電気ストーブに
手をかざして
かじかんだ指先をそっと伸ばして
ホッと息をつく
色んな事が過ぎていった

働くのをやめた
人に迷惑をかけたくないから
少し楽になった

国からもらった金で
美しいPCスピーカーを買った
「電気クラゲ」というあだ名をつけて
愛用している
「電気クラゲ」は素敵な音がするんだ

タバコがまた値上がりした
止めようと思ったけど
結局、一箱350円の
一番安いタバコをまた吸い始めた

生活は相変わらず苦しいけど
楽しみがないわけでもない

今、最高にかっこいい自転車を注文して
それが着くのを首を長くして待っている
中国の税関で差し止められているので
アマゾンになんとかして欲しいと電話した
アマゾンの対応を待っているところだ

イザベラは日本には来ない
今の仕事が素晴らしいと言っている
少し落胆したけど
イザベラが幸せならそれでいい

こんな風に僕のブルースは流れてゆく
今、「電気クラゲ」から
ビック・オーの歌が流れてきた
失われた声が歌うよ恋の歌
それにあわせてハミングしながら
始まるよ秋の朝




自由詩 秋の日曜日の朝 Copyright ジム・プリマス 2020-11-15 06:11:13
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