銀河を買う
道草次郎

一つ銀河を買った
安かった
お値打ちだよと町の骨董屋が言った
どのへんのですかと尋ねたら
古いのだからずっと遠くのらしいねと答えた
持って帰って
包みをほどいて中を覗くと
赤い惑星に
隕石が降っていた
なんだか無性に喉が渇き
コーラを一気飲みする
もう一度銀河に目をやると
今度は黄色い惑星に
生命が誕生していた
奇妙な姿をしていたがすぐに滅んでしまった
少し昼寝をして起きてくると
いつの間にか
銀河は冷たくなっていた
あの親父
またバッタもんを…
そう独りごちながら
銀河はあっさりゴミ箱へ
最後
青い惑星から
糸のようにか細い声が
聴こえたような
はて
聴こえなかったような


自由詩 銀河を買う Copyright 道草次郎 2020-11-12 17:13:23
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