オリオン座
おろはげめがね
美しい世界を知らない美しい人々
この夜を朝に変えることもできないのに
大気が乾燥しているから今日は空が綺麗だ
アスファルトの上を模様のように這うトカゲには太陽は目に痛い
そう、そのきみが太陽から永遠をもぎ取るならば
私は地獄から這い上がって神に取って替わってやる
窓から机に伸びた光の間を縫った影は私と世界との関係を取り戻す
それは二度目の初恋のようなもので
砂時計を止めても
結局、この夜を朝に変えることができなかった
祈るしかなかった
さよならを言った
また明日ねって言った
でも、明日には死んでいる
明日には名前を捨てる
それでもいい
どこでもいい
なんでもいい
落ちていく
落ちていく
落ちていく
生まれる前にいた場所まで
人々の
心に
響くような
詩が
書きたいんだ
そうでなければ
地獄で月見をする