夜を侵略する
トビラ
かわいた喉かわかし
凍りついた夜の欠片
言い聞かせて飲み込む
染み込むかなしみ、藍色
なんにでもなるさ
君が笑えるなら
夜留をぺしゃんこにする
怪獣にだって
吐き出す炎は群青
群像焼き払う軍曹踏み潰す
張り詰められた覆いはがす
建てられた塔をなぎ倒す、更地
返す、帰れるところに戻す
漆黒に固定された夜空
吹き上げる光線は閃光
割れるまでやめない咆哮
妖精の眠る森
魚の泳ぐ川
鯨が潮を吹く海
星の盗まれた夜空に星を
壊すほど壊れて
変えるほど還る
代わる人のいない
自分にしかできないわけでもない
それでも君を笑わせられるのは
自分しかいない
なんて勘違いをして
迷いはないわけではないけど
心が先に動くから
打算を置き去りにして
飲み込む夜を