night, winter, last
mizunomadoka
冷たい秋を後ろ手に閉め
火の消えた冬の部屋に入る
いま誰かが座ってたみたいに
ベッドシーツが沈んでる
窓の外は林檎山
赤い実がどこまでも続く
ああこれは夢だ
きみのSNSの写真だ
夕飯を終え
残りの味噌汁を裏口に置くと
獣たちの気配がする
青い月に照らされた
二階窓のもう一人の影
多分あちらが本物で
私はひび割れてる
冷たい夜露に触れた部分から
諦めたように自切していく
自由詩
night, winter, last
Copyright
mizunomadoka
2020-11-09 23:19:33