立冬と幻の岸
道草次郎


たすきがけの
やわらな眼にて
なぞるのは
左岸の萩
たれては
波にことごと
忘却をすて
むらさき色した瞑想
その
ひと房の
ながれては寄る


にぎりこぶし一つ
たたくつゆ霜
からんころんと
里わに
鳴りわたり
滑り台のステンレスに
たくわえきれない
キジ猫の陽
いまは何処いずこ
漂うか


自由詩 立冬と幻の岸 Copyright 道草次郎 2020-11-07 20:42:22
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