夜明けの地図
サダアイカ (aika)

明け方の光は
夜に反射しているんだ
だから青い
青白い
山を登る
人は変わる
毎日変わる
同じ名前でも
同じに見えても
もう同じ考えでは
同じではいられないの
変わらないのは約束
約束だ、と約束は増える
増えた約束が地図を描く
だから山を登る
君もそうだろ
わたしは
誰かがわたしを思うようには思えない
わたしがわたしには性欲を持てないみたいに
わたしには友情も愛情も感じなくて
わたしを通してつながって
見える誰かを守ろうと
して守っている必死に
わたしたちは動物なのだから
性交して子供が出来たの
なら産むそこにどんな理屈も
いらない体の仕組みさ
逆らうだけ無駄だ
どんなに変わっても
わたしたちは体からは逃げられない
いつまでたっても性別は変わらないわ
今月も子供はやってこなかったわ
子供はやってこないかもしれない
体の 痛みはもう
今日明日が山だ
もう夜が白みはじめているけれども
守ることも出来なかった約束を
忘れないで描くよ
だから山だ
そうだ地図だ
山を登るわたしの
ほら、青を塗りつぶしに
太陽が昇るから
地図を広げて





自由詩 夜明けの地図 Copyright サダアイカ (aika) 2003-11-23 20:30:19
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