仕事は終わった
佐和

もう 何年も時間をかけて
仕事を終わらせた 気がしてる


今回 この両親のもとに生まれ
この人生をあゆんだ 
そのなかで その過程で
もう この人生の生課は
ほぼ 終わらせた
気がしてる



疲れたよ ほんと



でも もうあとは
くつろいでいいし
好きなことをしていい



お疲れさま




わたしがまだ
自転車を漕ぐ母の
前の座席に
ちょこんといた頃

わたしの頭のてっぺんに
鼻先をつけて
「なあにぃ?」と振り返るこどもに
母は言った

「枯れ葉の匂いがする」



それはイイ匂いなのかと
大人になったわたしが聞くと

「農家の出身だから、私は好きだ」


と言った




保育園の頃の写真のわたしは

複雑な表情を

いつもしていた



(ホントに? マジか
 また ココに生まれちゃったか
 また イチからやりなおし
 まじ 勘弁、もうやだ。
 また あれの繰り返しとか
 もう 本当に勘弁
 もう やってられない
 けど 逃げられない)



そう思っているようにしか

見えない



振りかえると
10代 20代 30代と経て
本能をもて余したことがあっても

心はずっと枯れ葉だったんじゃないかと
おもえてくる



もし万が一もう一度
またおなじ両親を選んでしまったとして
もう少し らくな方法で
もう少し まともなやり方で
もう少し スマートに
人生をあゆみたい


そのことに
仕事のあとの時間を
つかおうかな。



準備しちゃって
なんか挑む気満々みたいで
それもお休み中の自分に悪い
申し訳ない






仕事を終えて
晴れた


疲れた朝に












自由詩 仕事は終わった Copyright 佐和 2020-11-04 06:57:55
notebook Home