月のトレード
道草次郎
床屋のおばさんが
すき鋏片手に
十六夜
(
いざよい
)
の月を吟じたから
ぼくは
十三夜の栗や豆の風情で
鼓
(
つづみ
)
を打った
この惑星の住人の間ではどうやら
天体への個人的感慨が
日々トレードされているようである
自由詩
月のトレード
Copyright
道草次郎
2020-11-02 20:10:21