さよなら地球
道草次郎

心のさまが
容姿である惑星
風のいろが
機敏に変わる大陸
ここは
にほん国のドノアタリデスカ
制約の屠殺場に
朝やけ

神経を千代紙に包んで
ギアをRに入れる
みえない雨
瀟瀟
なまりや蘇鉄や運河織りなす雲から
雨の鞘ばかり
しょうしょうと

この気息の消息
生焼けのソリストぽつねん
と立ち
顎を見あげるオオイチョウの燦爛
無味無味無味
ああ
なむ み

ガムを吐き出す
野薔薇が咲く
地球を放る
火星に飽きる
木星へ疎外
土星に堕ちる
気圧の炬燵で延々みかん

とおい
とおい
わくせい
それを下さい

準星の村に
蝋石の小河ながれて
蝶々の次元
くゆる羅漢の精神
むなしく
くらく
青い炎
脳髄の外縁に
さりげなく一朶の花園
そういうもの





自由詩 さよなら地球 Copyright 道草次郎 2020-11-02 08:55:16
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