三者三様
道草次郎
「魂のありか」
いろいろやってみたり
よんでみたり
けど
けっきょく
電気をけして
よこになり
暗闇みつめてしか
でてこない
なんにもしたくない
からの湧出か
もう
かんにん
してくれ
この自分は
どこらへんだ
宇宙
大きすぎて
ああ
細胞の
小ささ
それが足りない
「秋の雲」
青空には
くらい顔した雲なんて
ひとつもない
ライオン
朝顔
プードル
ひょっとこ
植木鉢
サワガニ
そんなかたちの雲ばかり
おしゃべりでない
水蒸気が
そらに絵を描く
秋の朝だ
「私の紹介」
私は夕焼けに感動します
コスモスが優しく風にゆれていると
ホッとします
年取った母の長風呂のあいだに
こっそり茶碗蒸しを作っておいて
一緒に食べたりもします
誕生日にはモンブランを買いました
自然の番組が好きでよく観ています
ご飯をたくさん食べます
けっこう笑います
一度は海外旅行をしてみたいです
ダイエットをしなければなりません
子供の画像を時々みては
赤ちゃん言葉で話しかけていることは秘密です
来週は紅葉のきれいな公園へ行きたいです
人間はそれほど嫌いではないとおもいます
温かいコーヒーを愛しているし
人が笑顔でいるとすごく安心します
私は本をたくさん所有していますが
その大部分はただあるだけです
私は人生について
それほど真面目に考えたことがありません
ある程度の収入を得て
もう少し痩せて
日曜日の午後家族のために料理を作る
それが私の当面の望みです
私はそういう人間です
私は夕焼けが嫌いではないはずです